眼内レンズって?
眼内レンズとは白内障手術の際に取り除いた濁った水晶体(目の中のレンズ)の代わりに眼内に入れる人工のレンズのことです。現在はいろんな種類のレンズがあり、メーカーも様々で特徴もいろいろです。種類は単焦点レンズと多焦点レンズ、それぞれに乱視補正機能の付いたレンズもあります。
これまで健康保険で適応する白内障手術は単焦点レンズのみが使用でき、多焦点レンズを希望する方は選定医療となり高額な費用(20~30万円)の追加が必要となります。
単焦点レンズの場合、裸眼で見えるところを遠方に設定すれば手前は必ず老眼鏡が必要になります。多焦点レンズならば遠くも近くも眼鏡をかけなくても見えるわけです。もし自分が手術される状況になるのなら手術後は眼鏡から解放されたいと思うのですが、レンズにもそれぞれ長所短所があり一概に多焦点レンズがベストということでもないのです。
保険診療のみでは多焦点レンズの適応はないということになりますが、実は2019年より「保険診療でも適応可能な多焦点レンズ」が認可されました。単焦点レンズに+1.5D加入(遠くに合わせた場合遠くから中間まで見えて、近くの距離は弱い老眼鏡をかけることが必要)された多焦点レンズです。これが「レンティスコンフォート(参天製薬)」というレンズです。日本では2019年より取り扱い開始されたのですがヨーロッパではすでに使用されていた眼内レンズで安全に安定して利用できるレンズです。
当院ではより多くの手術患者さんが手術後快適に見えるよう日本で認可されると同時に「レンティスコンフォート」を導入しました。2019年より数多く使用し(メーカー曰く国内使用数は上位10施設以内とのこと)個人差はありますが手術後は老眼鏡を使用しなくても裸眼でやや遠くから手前まで見えると実感して満足していただいている声を聴きますと導入して良かったとうれしく思います。
もちろんこのレンズにも長所短所や適応がございますので手術前詳細に検査してからご本人の眼や生活に合うレンズを選択させていただきます。
※当院では選定医療対応の多焦点レンズも取り扱っています。希望の方は相談してください。
コメント